2015/05/28

George Brandt Bridgman “CONSTRUCTIVE ANATOMY” (1920)


George Brandt Bridgman “CONSTRUCTIVE ANATOMY” 170pp, George B. Bridgman, New York, 1920

アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークで解剖学と人体描写の講師を務めたGeorge Brandt Bridgman(1865-1943)が1920年に自費出版した“CONSTRUCTIVE ANATOMY(構造的解剖学)”
 Bridgmanはエコール・デ・ボザールでJean-Léon Gérôme(1824-1904)とGustave Boulanger(1824-1888)の元で学び、45年間にわたってリーグで芸術家のための解剖学を教えた。美術解剖はボザール留学中に学んだと考えられるが、時代的にはMathias Duval(1844-1907, 在任期間1873-1903, *1)が解剖学を教えていた頃になる。教え子にイラストレーターのNorman Rockwell(1894-1978)、美術解剖教育に関与したAndrew Roomis(1892-1959)、後継者にはRobert Beverly Hale(1901-1985)がいる。
 本書は解剖学を構造的に把握しようとする試みで、立体的な形状を把握するために、頭部では直方体の枠の中に収めて描いたり、上肢や下肢の筋も角ばった形状で描かれている。手の指の手掌と手背で皺と関節の位置関係が異なることなど、他の美術解剖書には見られないオリジナリティーの高い内容になっている。
 解剖学を美術の学生に理解させるために、概念的な形態に置き換えることがこの頃から始まった。
(画像はリプリント版、筆者蔵)

*1: “Figures du corps” p.475, Beaux-Arts de Paris, 2008

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