Geisela M. A. Richter “KOUROI A STUDY OF THE DEVELOPMENT OF THE GREEK KOUROS FROM THE LATE SEVENTH TO THE EARLY FIFTH CENTURY B.C.” Oxford University press, New York, 1942
イギリスの古代美術史家Geisela M. A. Richter(1882-1972)による“KOUROI A STUDY OF THE DEVELOPMENT OF THE GREEK KOUROS FROM THE LATE SEVENTH TO THE EARLY FIFTH CENTURY B.C.”。ギリシア美術におけるクーロイ(男性裸体立像、複数形:クーロス)像を網羅した研究書である。
第1図版が、ウードンのエコルシェ(1790年製作)になっており、人体の構造とクーロイ像の比較が行えるようになっている。
クーロイ像の形態は時代を追うごとに、より自然な人体の形態へ近づいた。しかしながら末期の「クリティオスの青年像」に至っても完全には写実的でなく、様式的な形態の面影を残している。
クーロイ像の形態は時代を追うごとに、より自然な人体の形態へ近づいた。しかしながら末期の「クリティオスの青年像」に至っても完全には写実的でなく、様式的な形態の面影を残している。
ウードンのエコルシェは美術解剖学用の模型としてヨーロッパのアカデミーで使用された。その後時代を経て美術史の比較材料としても用いられるようになった。今日の日本の美術解剖学研究は、美術史や芸術学的な側面を含むが、そうした見方はヨーロッパでも行われていたようである。
(筆者蔵)