Paul Poirier “Traité d’anatomie humaine tome 2 deuxiéme” Masson et Cie, Paris, 1896
フランスの解剖学者ポワリエ(Paul Poirier)による“Traité d’anatomie humaine tome 2 deuxiéme”。第2巻の内容は筋学になっており、図版のほとんどを美術解剖学者のポール・リシェ(Paul Richer)が手がけた。
リシェのサインはイニシャルの『P』と『R』を重ねたもので、図版の下部に添えられているもので判別ができる。サイン入り図版の多くは “ANATOMIE ARTISTIQUE”(1890)からの再掲載であるが、筋を切断・展開した図や単一の筋を示した図のいくつかは本書が初出である。三角筋の図などの図は後年の “NOUVELLE ANATOMIE ARTISTIQUE”(1906)に再掲載された。
19世紀後半の美術解剖学の教師は、美術解剖学書に掲載された情報よりも詳細な知識を持っており、医学の解剖学書にも通用する詳細な情報を描いていた。そのことに驚きと喜びを覚える。
(初版、筆者蔵)
0 件のコメント:
コメントを投稿