Jean Cousin “LIVRE DE POVRATRAICTVRE” 78pp, Chez Guillaume le Be, Paris, 1595
フランスの画家Jean Cousin the Younger(1522-1595)による“LIVRE DE POVRATRAICTVRE(Livre de Portraiture: 肖像の書籍)”。Arpheと並び、初期の美術解剖書で普及したものの一つである。24版も重版され1821年ごろまで出版された。“French 16th century books”(1964)では初版が1571とあるが、Röhrlは1595としている。前者が正しいとすれば、最古の美術解剖書になる。
図版はオリジナルだが解剖図はVesaliusのファブリカの影響を受け、局所図と全身図によって解剖学的構造を提示している。プロポーション図はウィトルウィウスの記述に基づいているが、Arpheとは異なり、モデルはエコルシェ(筋肉人)で、毛髪の生え際が描けないため8頭身が選択された。本書以降の美術解剖書では「頭身」を用いたプロポーションが定着した。Richerはクザンのプロポーションに関して基準点の記述に幅があり曖昧であるとしている(*1)。ほかに短縮法に関する内容が含まれ、作図によって別の角度から見た人体図を提示している。Arpheは建築的な内容を含むが、Cousinは絵画的な見地から本書を編纂した。
16世紀の書籍は文字列に“V”が入っているが“U”との区別がないためである。
(ウェブアーカイブ版)
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