2016/06/14

Update: Bell, Charles. "Essay on the anatomy of expression as connected with the fine art" (1846)





ベル『絵画における解剖学表現についての考察』(1806)
Bell, Charles. Essay on the anatomy of expression in Painting. London: Longman; 1806. / 218pp.
著者:1774-1842. スコットランドの神経解剖学者.ベル・マジャンディの法則で有名.

増補第3版(1846)では、Essay on the anatomy of expression as connected with the fine art.とタイトルが変更され、ページ数が265ページになっている。増補されたことで随筆の数も10に増えた。頭部に関する記述が多く、感情からくる表情の表現や、動物の頭部の解剖図なども掲載されている。巻末にはベルによる頭頚部の詳細な神経の図版も添付され、ベルの絵画表現能力の高さが伺える。引用は、キャンパーの顔面角がある。
(第3版、筆者蔵)

2016/06/10

Rochet, Charles. "Le prototype humain, tableau des douze lois fondamentales de la géométrie des formes dans l'espèce humanie et sur les deux sexes." (1877)


 


ロシェット『人体の原型:男女の基本的な幾何学形態の表』(1877)
Rochet, Charles. Le prototype humain, tableau des douze lois fondamentales de la géométrie des formes dans l'espèce humanie et sur les deux sexes. Paris: E. Plon; 1877. / 190x157mm, 91pp.

 フランス,エコール・デ・ボザールの人類学教授ロシェットによる人体のプロポーション書.ロシェットが出版した最初の美術解剖書である.
 本書に掲載された男女のモデルは,英雄体型ではなく,アベレージ・マンとして表現されている.立位のプロポーションは,距腿関節を屈曲させて8頭身になるように調整している.距腿関節を屈曲させた8頭身プロポーションは、マーシャルの計画と同様である.
 両手を頭部の真上に挙上させた姿勢の全長を10頭身と設定している.手を挙上させた姿勢でのプロポーションは,20世紀にル・コルビュジエが「モデュロール」に制定した姿勢と相似点が見られる.
(英訳版;1884,筆者蔵)

2016/06/09

Brücke, Ernst Wilhelm. "Schönheit und Fehler der menschlichen Gestalt." (1891)




ブルケ『人の形の美しさと性差』(1891)
Brücke, Ernst Wilhelm. Schönheit und Fehler der menschlichen Gestalt. Leipzig & Wien: Verlag Wilhelm Braunmüller; 1891. / 230x150mm, 151pp.
著者:1819-1892. ドイツ・オーストリアの生理学者.ベルリン芸術アカデミーの解剖学講師,ウィーン大学の生理学教授.

 体表解剖と性差が主な内容の美術解剖書である.控えめな図版が所々に掲載されている.ガーディの体表解剖書と異なり,全身の体表図がなく,局所体表解剖学という点が新しい.ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』など美術作品の合間に体表の図や解剖図が掲載されている.図版は小さく,数は少なめであるものの,全体的に精巧な印象.解剖図はグレイ(Gray’s Anatomy)から引用している.
(第3版;1905,筆者蔵)

2016/06/07

Arnould Moreaux “Anatomie Artistique de l’Homme” 1928


Arnould Moreaux “Anatomie Artistique de l’Homme” 405p, Librairie Maloine S. A., Paris, 1928

フランス芸術家協会の会員アーノルド・モローによる『男性の美術解剖学』。ロングセラー書で、第2版が1997年に出版され、現在もMaloine社が販売している。
 図版は、全体的にはリシェをベースにしているが、レオナルドの解剖素描やガメリンの解剖図の引用が随所に見られる。所々に古典彫刻が掲載され、表面の起伏が何であるかについてや、彫刻の姿勢についてどの筋が働いているか解説されている。骨と筋の情報は非常に多く、動きや働きを細かく図示し、運動解剖学や機能解剖学的な書籍の体裁をとっている。
 リシェの影響の判断要素の一つになっている「リシェバンド(大腿筋膜前面の肥厚部)」であるが、筋肉図には掲載されていないが、体表の起伏の項目で取り上げられている。
(初版、筆者蔵)

2016/06/05

John Raynes “Complete Anatomy and Figure Drawing” 2007


John Raynes “Complete Anatomy and Figure Drawing” 144pp, Batsford, London, 2007

 イギリスの画家ジョン・レインズによる『完全な解剖学と人体素描』。色鉛筆と水彩の素描による解剖図である。スケッチ的で、隅々まで描ききっていない。前著と比べて、より現代的な編集になっている。
 内容は、骨や筋に関する解剖学の概論と、写真を用いた素描の実例が掲載されている。描き方は写真をトレースしたものや、骨標本を観察して描いたようなものもあり、例えば、骨格標本をスケッチしたような図では、短縮法を用いた骨の形態など実際に見ないとわからないような情報が含まれている。筋肉は屈筋を青、伸筋を赤で表現している。全体を通して見ると、いろいろな視点から取材され、図版の視点は決められていない。幾つかの図は斜め45度からの視点で描かれている。
(初版、筆者蔵)

2016/06/04

M. Vagnier “Cours d’Anatomie artistique” 1942






M. Vagnier “Cours d’Anatomie artistique” 181pp+64plates, Ecole Universelle, Paris, 1942

エコール・ユニヴェルセルの教授M.ヴァニエによる『美術解剖学講座』。
 本文から図版まで手書きによる書籍である。前半はテキスト、後半に64枚の図版ページがある。
 図版はリシェファウの影響を受けているが、トレースではないため作者の描写の癖がある。筋肉の図では、ほぼすべてに体表のアウトラインが描かれており、リシェやファウの計画を踏襲している。骨や筋の図のほかに、腹部内臓や全身の循環器の図が掲載されている。皮静脈の図は、血管が観察しやすいように、四肢を心臓より低い位置にした珍しい姿勢で表現されている。
(初版、筆者蔵)

2016/06/03

Cecil Leonard Burns / Robert J. Colenso “Living Anatomy” 1900






Cecil Leonard Burns / Robert J. Colenso “Living Anatomy” 40plates, Longmans Green And Co., London, 1900

イギリスの画家、ボンベイ美術学校の校長セシル・レナード・バーンズ(1862頃-1929)と医師のロバート・コレンソによる『生体の解剖学』。19世紀末に現れた写真を使用した解剖図譜である。
 本書は40枚の紙葉からなり、体表の写真と写真に基づく浅層の筋のスーパーインポーズ図が並べて配置されている。体表と皮下の構造を比較しながら学ぶ美術解剖書である。体表の筋を描いた解剖図は、皮下組織は考慮されていない。そのため、女性の図では下肢の筋量が多く見える。
 モデルは色々なポーズをしているが、有名作の作例が思いつかないので、美術作品からの着想ではなく著者のアイデアによるものであろう。書籍全体のオリジナリティーは高いが、写真のスーパーインポーズ図の先行例ではイギリスの解剖学者トムソンの美術解剖書があげられる。
(初版、筆者蔵)