Auguste Péquégnot “Anatomie descriptive des formes humaines” 48pp+24plates, Le Bailly, Paris, 1845
フランスの画家、オーギュスト・ペキニョー(1819-1878)による『解剖学 人体の形態解説』。オーギュスト・リオによる改訂増補版とある。簡潔なハンドブックである。
図版は24枚の銅版画からなり、頭部の図にはギリシア彫刻の様式が見られる。背面左外側の図はウードンのエコルシェに姿勢が似る。全体的に独特の描写で、筋繊維や筋腱移行部が曖昧に描かれている。
画面いっぱいに人体を収めるように描いているのが特徴で、こうした構図はマスカーニも行っているが、個人的にはボタニカルアートと印象が重なる。ボタニカルアートでもしばしば画面構図に収めることを重視し、対象の形状が画面構図に引き寄せられているのを見かける。ペキニョーの素描や柱状装飾の図は的確に描かれているが、本書の図版はそれらの作品とは印象が異なる。
(改訂増補版、筆者蔵)
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