2015/06/24

Walter L. Strauss “THE HUMAN FIGURE BY ALBRECHT DÜRER: THE COMPLETE DRESDEN SKETCH BOOK” (1972)


Walter L. Strauss “THE HUMAN FIGURE BY ALBRECHT DÜRER: THE COMPLETE DRESDEN SKETCH BOOK” 355pp, Dover, New York, 1972

アメリカの美術史家、Abaris Booksの創設者Walter Leopold Strauss(1922-1988)による“THE HUMAN FIGURE BY ALBRECHT DÜRER: THE COMPLETE DRESDEN SKETCH BOOK”。ドイツの画家Dürer(1471-1528)通称ドレスデンのスケッチブック(1501-1519、ドレスデンのザクセン州立大学図書館蔵)を編纂したもの。原著は見開きだが、再編集に当たって片ページづつキャプションを添えて掲載している。このスケッチブックは人体のプロポーションに関する研究が記されており、幾つかの図はDürerが晩年に手掛け、死後に出版された『人体均衡論四書』(1528)に掲載された。
 プロポーション図の多くは体表観察によるもので、いくつかの図はLeonardoの素描手稿からの模写である。模写は上肢と下肢の骨格と神経の走行を描いたもので、美術の図としては珍しい腕神経叢が描かれている(p263、Straussは神経ではなく腱としている)。
 Dürerの徹底した人体の捉え方は今日の見方と比べても先見の明があり、 Bridgmanの“Constructive Anatomy”(1920)に通じる直方体で構成された人体を描いていたり、直線のガイドを用いて一方向の視点の図から投影図を描いている。
(リプリント版、筆者蔵)



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