Ludwig Pfeiffer “Handbuch der Angewandten Anatomie” 503pp, Otto spamer, Leipzig, 1899
ワイマール美術学校の教師Ludwig Pfeifferによる“Handbuch der Angewandten Anatomie(応用解剖学のハンドブック)”
19世紀末に登場する体系化をこころみた美術解剖書の一つである。衣服に応用されている点が特殊である。まず人体のプロポーションなどの正常構造を示し、巻末では側湾症や肥満体など特殊な体型の解説が行われている。側湾症などに対応した衣服の作図は、衣服デザインを学ぶ人々にとって重要な資料であろう。解剖図はSchider、Richerらに基づく。
日本にも「衣服解剖学」や「服装解剖学」があるが、その成立は20世紀に入ってからのことであった。衣服のための解剖学の流れを作った西田正秋の膨大な蔵書の中には、本書もしくは本書に影響を受けた資料があったかもしれない。
(初版、筆者蔵)