2015/05/18

William Andrew Loomis "FIGURE DRAWING FOR ALL IT’S WORTH" (1943)


William Andrew Loomis "FIGURE DRAWING FOR ALL IT’S WORTH" 204pp, THE VIKING PRESS, New York, 1943

シカゴのイラストレーターのWilliam Andrew Loomis(1892-1959)による”FIGURE DRAWING FOR ALL IT’S WORTH(邦題「やさしい人物画」)”。人体素描のための技法書だが、運動器など解剖学的な情報を含む。
 人体のプロポーションから始まり、運動やポーズ図、筋骨格の図、幾何形体図などの概説を経て、Loomisによる人体素描の作例が掲載されている。作例では、運動をつけたポーズや、固定ポーズなどの全身のほかに頭部や表情があり、Houdonが製作した筋肉人の首像も描かれている。
 本書の中でオリジナリティが高い図は、”The mannikin frame”と呼ばれる図で、逆三角形の上肢体に骨格の概念図を足した図で、骨盤がちょうど打楽器のシンバルのような簡略化された形体で捉えられている。解剖図はRicherからの影響が見られる。
 人体素描とあるが、描かれた裸婦や肖像画は美術学校の受験向けというよりは商業向けで、ライティングが劇的であったり、ヒールを履いた裸婦が描かれている。
(13版、1971、東京芸術大学美術解剖学研究室蔵)

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