2016/05/30

Reference: Ranice W. Crosby / John Cody “Max Brödel: The Man Who Put Art Into Medicine” 1991


Ranice W. Crosby / John Cody “Max Brödel: The Man Who Put Art Into Medicine” 352pp, Springer, 1991

 ジョンズホプキンス医療研究所に在籍していたメディカル・イラストレーションの父マックス・ブルーデル(1870-1941)の経歴をまとめた書籍である。美術解剖学とメディカル・イラストレーションの志向の違いを知ることができる。
 本文には授業中や講評時の風景写真も掲載されており、解剖図の描写方法を学ぶ教育現場を伺い知ることができる。巻末にはモノクロで作品が掲載されている。
 ブルーデルの描写方法は、主に2種類あり、ペンによるハッチングを駆使して立体的に描く方法と、チャコールペンシルの粉末を画面にこすりつけて陰影をつける方法がある。ぞれぞれ平滑なボードの上に描いていたようだ。
 ブローデルの手がけた図版は、病変や術式を伝えるためのイラストがほとんどであるが、シュパルテホルツの解剖図譜などに図版を提供している。彼の弟子にはメイヨー・クリニックに勤務し、アメリカのメディカル・イラストレーション界に影響を残したラッセル・ドレイクがいる。
(初版、筆者蔵)

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