2015/08/31

Summery of the artistic anatomy books: August 2015

1683: Gérard Audran “LES PROPORTIONS DU CORPS HUMAIN, Mesurées sur les plus belles figures de l'Antiquité”
1689: Crisóstomo Martínez y Sorlí “Tablas Anatómicas”
1814: Giambattista Sabattini “TAVOLE ANATOMICHE PER LI PITTORI, E GLI SCULTORI”
1829: Pierre Nicolas Gerdy “Atlas des peintres”
1850: Burkhard Wilhelm Siler “Anatomie des Menschen für Künstler und Turnlehrer”
1856: Emil Harless “LEHRBUCH DER PLASTISCHEN ANATOMIE FÜR ACADEMISCHE ANSTALTEN UND ZUM SELBSTUNTERRICHT”
1876: Emil Harless “LEHRBUCH DER PLASTISCHEN ANATOMIE FÜR ACADEMISCHE ANSTALTEN UND ZUM SELBSTUNTERRICHT”(2nd edition)
1877: William Rimmer “ART ANATOMY”
1890-1897, 1924 :Carl Brünner “ANATOMIE FÜR KÜNSTLER”
1894: Antonin Bossu “ANTHROPOLOGIE: ATLAS D’ANATOMIE”
1901: John C.L. Sparkes “A MANUAL OF ARTISTIC ANATOMY FOR THE USE OF STUDENTS IN ART. SECOND EDITION”
1920, 1971: George B. Bridgman “THE BOOK OF A HUNDRED HANDS”
1921: Paul Richer “Nouvelle Anatomie artistique III Physiologie Attitudes et Mouvements”
1922: Paul Poncelet “Topographie Artistique du Corps Humain et Mécanisme des Expressions du Visage”
1924: Siegfried Mollier “PLASTISCHE ANATOMIE DIE KONSTRUCTIVE FORM DES MENSCHLICHEN KÖPERS”
1925, 2005: Eugene Wolff “Anatomy for Artists”
1939, 1971: George B. Bridgman “The Human Machine”
1964: José María López Piñero “EL ATLAS ANATÓMICO DE CRISÓSTOMO MARTÍNEZ”
1983: Charles D. O’Malley / J.B. de C.M. Sanders “LEONARDO ON THE HUMAN BODY”

Reference:
1791: Adrian Gilles Camper “Verhandeling van Petrus Camper, over het natuurlijk verschil der wezenstrekken in menschen van onderscheiden landkaart en ouderdom.”
1831: Jean Baptiste Marc Bourgery / Nicolas Henri Jacob “Traité complet de l'anatomie de l'homme: comprenant la médicine opératoire (Band 2, Atlas)”
1887: Eadweard Muybridge “Animal Locomotion”
1920: Francis Heckel “Grandes & Petites Obésités Cure Radicale”
1955: Eadweard Muybridge “THE HUMAN FIGURE IN MOTION”

2015/08/28

Carl Brünner “ANATOMIE FÜR KÜNSTLER” (1890-1897?,1924)





Carl Brünner “ANATOMIE FÜR KÜNSTLER (4th edition)” 50pp, Franz Hanstaengl, München, 1924

Carl Brünner教授による“ANATOMIE FÜR KÜNSTLER”の第4版。初版の出版年は不明だが、第二版が1897年に出版されているため19世紀末の美術解剖アトラスになる。
 本書は骨格と筋を把握するための書籍で、全部で22枚の図版ページがある。図はオリジナルで、一部テキストに添えた図にRicherからの引用が見られる。骨格図の上に赤で筋のシルエットと筋繊維が描かれている。シンプルで見やすいが、平面的で筋と腱は明瞭に描き分けられていない。
 筋肉人の大腿部にRicher bandが見られることから、初版は1890年から1897年の間に刊行されたと考えられる。さらにRicherのドイツ語版は1907年に出版されたので、フランス語の原著からの引用になる。
(第4版、東京芸術大学美術解剖学研究室蔵)

2015/08/27

Update: Emil Harless “LEHRBUCH DER PLASTISCHEN ANATOMIE FÜR ACADEMISCHE ANSTALTEN UND ZUM SELBSTUNTERRICHT” (1876)




Update: Emil Harless “LEHRBUCH DER PLASTISCHEN ANATOMIE FÜR ACADEMISCHE ANSTALTEN UND ZUM SELBSTUNTERRICHT” 547pp+22plates, Verlag von Ebner & Seubert, Stuttgart, 1876

 ドイツの医師、ミュンヘン大学教授のEmil Harless(1820-1862)による“LEHRBUCH DER PLASTISCHEN ANATOMIE FÜR ACADEMISCHE ANSTALEN UND ZUM SELBSTUNTERRICHT”の第二版。初版から大幅な改定が行われた美術解剖書である。サイズが一回り大きくなり、アトラスパートの図版は初版をベースにしてすべて描き直されている。新規図版として巻末に人種による体型差を表す二枚の図が付け加えられている。これらの図版はほとんどが体表の図になっており、Gerdy以後の体表解剖学の流れを汲んでいるといえる。
 Comerによれば本書は美術解剖の大家であるRicherが蔵書していた書籍の一つとされる。言われてみればRicherによる運動生理学の書籍はこの本からの影響が強ように感じられる。
(第二版、筆者蔵)

2015/08/25

Giambattista Sabattini “TAVOLE ANATOMICHE PER LI PITTORI, E GLI SCULTORI” (1814)





Giambattista Sabattini “TAVOLE ANATOMICHE PER LI PITTORI, E GLI SCULTORI” 86pp, Bologna, 1814

ボローニャ美術アカデミーで解剖学の教鞭をとったGiambattista Sabattiniによる “TAVOLE ANATOMICHE PER LI PITTORI, E GLI SCULTORI(画家と彫刻家のための解剖学アトラス)
 銅版画による美しい図版が掲載されたアトラスである。図版の計画性や統一感はAlbinusの影響がうかがえるが、独自性は高い。体表の全身図と、局所の解剖図が正面、側面、背面の方向から描かれている。骨格図の次ページまたは隣に筋肉図が描かれ、図は陰影をつけた図と解説用に線描の上にアルファベットで記号を振った図が掲載されている。骨格と筋の図はそれぞれ同じ姿勢で対応している。上肢の側面図はHoudon作のエコルシェ(年代不詳、リンク先No.14675)と姿勢がほぼ一致する。
 Röhrlによれば、本書は19世紀初期の重要な美術解剖書の一つとされ、第二版が1841年に、その後1864年にも増刷され、ミラノ版(1815?)も出版された。

Accademia di Belle Arti Bologna: http://www.ababo.it/ABA/

2015/08/24

Eugene Wolff “Anatomy for Artists” (1925, 2005)


Eugene Wolff “Anatomy for Artists” 194pp, Dover, New York, 2005

イギリスの眼科医Eugene Wolff(1896-1954)による“Anatomy for Artists”。原著は1925年にH.K. Lewis & Co.,Ltd.,より出版された “Anatomy for Artists, Being an Explanation of Surface Form(芸術家のための解剖学 表面形状についての解説)WolffUniversity College LondonのSlade教授(イギリス最古の美術教授)であった画家で解剖学者のHenry Tonks(1862-1937)に召集され、同校で10年間教鞭をとっていた。
 図版は素朴で的確という点がMollierを彷彿させるが、描き方のアドバイスはTonksから受けていたようである。図版はオリジナルのものも多いが、巻末などにFroiep(顔面角、表情筋)、Richer(プロポーション)、Vesalius(全身骨格)、Kollmann(全身体表図、表情筋等)、Tandler(全身筋肉図)が引用されている。
(リプリント版、筆者蔵)

University College London: http://www.ucl.ac.uk/

2015/08/21

Pierre Nicolas Gerdy “Atlas des peintres” (1829)



Pierre Nicolas Gerdy “Atlas des peintres” 3plates, BÉCHET JEUNE, Paris, 1829

フランスの医師、パリ大学教授Pierre Nicolas Gerdy(1797-1856)による“Atlas des peintres”。本書は3枚のリトグラフからなり、ANATOMIE DES FORMES EXTÉRIEURES DU CORPS HUMAIN, APPLIQUÉE A LA PEINTURE, A LA SCULPTURE ET A LA CHIRURGIE”(1829)のアトラスに当たる。サイズは560x430mmと大判で、現在は稀少資料となっている。図版はM. Demesseによる。
 Rhörlによれば、Gerdyの美術解剖書は、最初の美術用の体表解剖学書とされる。体表解剖学は体表の起伏がどのような解剖学的構造によるものかを理解するための学問で、この見方はGerdyのアシスタントであったFauにも引き継がれた。テキストブックの方に描かれている図版は線描で簡素なものであるが、アトラスの方は極めて精巧に描かれている。

2015/08/20

Summery: the book classification


書籍分類

19世紀の解剖書はサイズと内容から以下の体裁に分類される。分類の中間に位置し、2種類以上またがる書籍もある。

テキストブック:文書による記述のみで構成された書籍。印刷技術による制約で、活字と図版を同一のページもしくは同一の書籍に掲載できなかった初期~中期に見られる。別冊の大判アトラスと組み合わせになっていることが多い。医師もしくは解剖を体験している著者が執筆している。ウェブアーカイブ化され、閲覧・ダウンロードできるケースもある。BertinattiGerdyFauSeilerなどの書籍がある。

教科書:文章による記述と小さな図版を同一ページ内に組み合わせた学習参考書。最もポピュラーな体裁で、美術を学ぶ学生だけでなく、講師に向けて書かれていることもある。医師もしくは解剖を体験している著者が執筆しているケースが多い。DuvalCuyerKollmannThomsonHeupel-SiegenMollierBammesなどの書籍がある。

アトラス:図版によって構造を提示する書籍。B4サイズ程度の大型のものが多く、なかには長辺が60センチを超える版画もある。テキストは短く簡潔にまとめられ、別冊のテキストブックと組み合わせになっていることがる。FauRimmerRicherRothSparkesなどの書籍がある。

ハンドブック:簡易的な情報を掲載した、ポケットサイズの小型書籍。記述と図が含まれる。増刷しやすく、10版以上重ねた書籍もある。LavaterRicherなどの書籍がある。

ハンドアトラス:小型のアトラスで、図版によって構造の概観を提示する書籍。図は全体図が多く、局所図は少ない。小型書籍にすることで、テキストブックとのサイズ違いや、大判アトラスの持ち運びにくさを解決した。FauBossuなどの書籍がある。

複合書:一冊ではあるものの、印刷技術の制約から内容ごとに巻分けされた書籍で、表紙または扉絵が一冊の書籍の中に複数ページある。テキストとアトラスが一冊にまとまっていることもある。HarlessFroriepFau/Cuyerなどの書籍に見られる。

 医学分野の解剖学と違い、解剖の手順を示した実習書、解剖体を撮影した写真が主要な図版となる写真集はない。写真図版はほとんどの書籍が生体の体表写真か作品写真を用いている。Mollierなど一部解剖体の写真を図版に使用した例もある。
書籍の体裁は、ハードカバー、ソフトカバーのほかに、書籍として背を綴じられたものと、紙葉によって分かれているものがある。カバーに関しては、19世紀の書籍の表紙は職人に依頼して装幀したケースがあるため、表紙の材質やデザインが異なっていることがある。紙葉に分かれた体裁の書籍はアトラスなど大型書籍に用いられ、写本としても使われた。この体裁には保存するための厚紙製のカバーが付属している。

2015/08/19

George B. Bridgman “The Human Machine” (1971)




George B. Bridgman “The Human Machine” 143pp, Dover, New York, 1971

カナダ出身の画家、アート・スチューデンツ・リーグ講師のGeorge B. Bridgman(1865-1943)による“The Human Machine” 。オリジナルは1939年にBridgman Publishers, Inc.より出版された “THE HUMAN MACHINE THE ANATOMICAL STRUCTURE & MECHANISM OF THE HUMAN BODY”
 本書はBridgmanの晩年の書籍で、筋骨格を単純化して構造を把握するというBridgman式美術解剖学の集大成になっている。直方体や円形などの単純形態に人体を当てはめる行為はDürerMartinezなどにも見られ、美術において普遍性が高い行為といえる。Bridgmanはそれを解剖学的構造とその運動に応用し、学生に教示した点が画期的であった。この方法は解剖体に触れる機会の少ない学生にとって、内部構造の形態を把握するための手がかりとなる。
(リプリント版、筆者蔵)

*表紙:Dover版、図版:web archive版
the art students league of New York: http://www.theartstudentsleague.org/

2015/08/18

George B. Bridgman “THE BOOK OF A HUNDRED HANDS” (1971)



George B. Bridgman “THE BOOK OF A HUNDRED HANDS” 175pp, dover New York, 1971

カナダ出身の画家、アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨーク講師のGeorge Brandt Bridgman(1865-1943)による“THE BOOK OF A HUNDRED HANDS”。オリジナルは1920年にEdward C. Bridgemanが出版した。
 Bridgmanによる手のスケッチと解剖図を眺めながら構造を学ぶ書籍で、テキストは短く簡潔にまとめられている。手背と手掌の指の皺の図など“Constructive Anatomy”にも掲載されているが、新たに書き起こされている。
 Bridgmanの図のスタイルは、小さな図が画面内にリズムや流れを持って配置されている。四隅は余白になっていることが多い。リプリント版では裏が透けていたり、粒子の粗い印刷が目立つが、オリジナルを見ると画面の構図が強く感じられる。
(リプリント版、筆者蔵)

*表紙:Dover版、図版:web archive版"Constructive Anatomy"
web archive (constructive anatomy):https://archive.org/details/constructiveanat00briduoft

2015/08/14

Reference: Francis Heckel “Grandes & Petites Obésités Cure Radicale” (1920)




Reference: Francis Heckel “Grandes & Petites Obésités Cure Radicale” 538pp, Masson & Cie, Paris, 1920

フランスの医師Francis Heckel(1872-19..?)による“Grandes & Petites Obésités Cure Radicale(大小の肥満の根治)。本書は肥満に関する医学書で、美術解剖書ではないが、図版の多くがRicherから引用されている。中でもレアなのが、Richerが制作したエコルシェの三方向から撮影された写真が掲載されている。
 Richerのエコルシェは1906年にPlon-Nourrit株式会社より販売された。右半身が体表の形状で、左半身が浅層の筋・骨格と脂肪帯になっており、体表との位置関係を比較しながら観察できるようにしてある。石膏製でライフサイズと縮小サイズがあり、ボザールには彩色されたものも収蔵されている。日本では東京芸術大学美術解剖学研究室に縮小サイズが二体収蔵されている。
 Comerは"Figures du corps"の中で、このエコルシェを解剖学的に正確であるが、Houdonよりも重い形状で硬い姿勢をしており、写実的ではないとしている。また、女性のエコルシェを制作する計画もあったようであるが皮下脂肪と筋の位置関係の問題で断念したとしている。
(第2版、筆者蔵)

web archive: http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k5724119x

2015/08/13

José María López Piñero “EL ATLAS ANATÓMICO DE CRISÓSTOMO MARTÍNEZ” (1964)


José María López Piñero “EL ATLAS ANATÓMICO DE CRISÓSTOMO MARTÍNEZ” 122pp, Archivo municipal, Valencia, 1964

バレンシア大学医師学教授José María López Piñero(1933-2010)の翻訳による“EL ATLAS ANATÓMICO DE CRISÓSTOMO MARTÍNEZ”。原著はバレンシア生まれのスペインの画家、彫刻家Crisóstomo Martínez y Sorlí(1638or1640-1694?)による “Tablas Anatómicas”。顕微鏡を用いた骨や骨化の形態を図示し、骨格を基準としたプロポーション図を残している。図譜は1689年にバレンシアで出版され、その後1780年にフランスで再販された。
 本書は解剖書と美術解剖書のちょうど中間に位置付けられ、図版はどれも寓意的で独特な画面空間になっている。Martínezは骨学にプロポーションを組み込んだ最初の人物とされ、第19図に人体のプロポーション図が掲載されている。
 スペインの美術解剖書で有名なものは、最初期の美術解剖書とされるJuan de Arpheの美術解剖書がある。本書はその約100年後に出版された。当時の図と比べると飛躍的に描写が向上している。
(リプリント版、筆者蔵)

2015/08/12

Paul Poncelet “Topographie Artistique du Corps Humain et Mécanisme des Expressions du Visage” (1922)



Paul Poncelet “Topographie Artistique du Corps Humain et Mécanisme des Expressions du Visage” 20pp, Librarie Albert Dewit, Bruxelles, 1922

フランスの画家Paul Poncelet(19c-20c)による“Topographie Artistique du Corps Humain et Mécanisme(美術の局所解剖学 人体と表情のメカニズム)。本書は2ページの序文と、18枚のプレートからなるアトラスで、サイズは28.5 x 44cmと大判である。図版はRicher"ANATOMIE ARTISTIQUE DESCRIPTION FORMES EXTÉRIEURES DU CORPS HUMAIN" (1890)に基づいており、プロポーションや顔が変更されている。筋を連続的に並べて観察できるようにしたアイデアが新鮮だが、いかんせん図が素朴で学習には向かない。Richerの後世への影響を知る資料の一つである。
(初版、筆者蔵)

2015/08/11

Burkhard Wilhelm Seiler “Anatomie des Menschen für Künstler und Turnlehrer” (1850)



Burkhard Wilhelm Seiler “Anatomie des Menschen für Künstler und Turnlehrer” 209pp, Arnoldische Buchhandlung, Leipzig, 1850

ドイツの解剖学者、ドレスデン医学アカデミーの教授Burkhard Wilhelm Siler(1779-1843)による“Anatomie des Menschen für Künstler und Turnlehrer(芸術家と講師のための人体解剖学)本書は2巻組で、1巻はテキスト、2巻はアトラスになっている。アトラスはworldcat.orgの蔵書検索によれば、65x55cmの4枚のプレートからなるとしている。
 本書はBammesDie Gestalt des Menschen”も掲載されており、図版のいくつかはGoetheの友人で、ドイツのロマン派の画家、医師、博物学者のCarl Gustav Carus(1789-1869)が提供したとしている。Bammesの引用した図版には、古代彫刻のスーパーインポーズ図が多数描かれている。
 Seilerは本書に先駆けて“Naturarlehre des Menschen mit Bemerkungen aus der vergleichenden Anatomie für Künstler und Kunstfreunde(人体の自然科学、芸術家や愛好家のための比較解剖学)”を1826年に出版した。タイトルが異なっているが、Wikiによれば、“Naturarlehre des Menschen mit Bemerkungen aus der vergleichenden Anatomie für Künstler und Kunstfreunde”として、Röhrlの調査では“Anatomie des Menschen für Künstler und Turnlehrer”として業績が一冊にまとめられている。
(ウェブアーカイブ版、図版はBammes "Die Gestalt des Menschen"より)

2015/08/10

Antonin Bossu “ANTHROPOLOGIE: ATLAS D’ANATOMIE” (1894)





Antonin Bossu “ANTHROPOLOGIE: ATLAS D’ANATOMIE” 48pp, Bloud dt Barral Éditeures, Paris, 1894

フランスの医師Antonin François Bossu(1809-1897)による“ANTHROPOLOGIE: ATLAS D’ANATOMIE(人類学:解剖学アトラス)。本書は度重なる改定が加えられた書籍で、初版(1846)は2巻組のテキストからなるハンドブックだったものが、第6版(1873)では3巻目のアトラスが加わり、第13版では4巻に増補され、第4巻であるアトラスに美術解剖学の記述が追加された。
 図版は合計20枚で、骨格、筋、神経、特殊感覚器、動静脈、尿生殖器、胎児の図で概要が一通り構成されている。美術解剖学の記述は巻末の8ページで、図版は正面観の全身骨格、背面の全身骨格、頭蓋と脊柱の図、正面観の全身の筋、背面観の全身の筋の第5図までが該当する。
 概要ではあるものの全身を網羅したアトラスの中に美術解剖の記述が含まれていること、そしてハンドブック形式の小型本は増刷数が多く、広く普及した点が興味深い。
(第13版、筆者蔵)