Reference: Francis Heckel “Grandes & Petites Obésités Cure Radicale” 538pp, Masson & Cie, Paris, 1920
フランスの医師Francis Heckel(1872-19..?)による“Grandes & Petites Obésités Cure Radicale(大小の肥満の根治)”。本書は肥満に関する医学書で、美術解剖書ではないが、図版の多くがRicherから引用されている。中でもレアなのが、Richerが制作したエコルシェの三方向から撮影された写真が掲載されている。
Richerのエコルシェは1906年にPlon-Nourrit株式会社より販売された。右半身が体表の形状で、左半身が浅層の筋・骨格と脂肪帯になっており、体表との位置関係を比較しながら観察できるようにしてある。石膏製でライフサイズと縮小サイズがあり、ボザールには彩色されたものも収蔵されている。日本では東京芸術大学美術解剖学研究室に縮小サイズが二体収蔵されている。
Comerは"Figures du corps"の中で、このエコルシェを解剖学的に正確であるが、Houdonよりも重い形状で硬い姿勢をしており、写実的ではないとしている。また、女性のエコルシェを制作する計画もあったようであるが皮下脂肪と筋の位置関係の問題で断念したとしている。
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